5DモデルStep1「Discovery」|ボトルネックを見つけ、AIに向く業務を選ぶ【ストラテジスト試験 Sec.28】

5Dモデル Step1 Discovery 解説のアイキャッチ

本記事は、AIエージェント・ストラテジスト試験(AICX協会主催)の公式シラバスver1.0 Chapter 6 / Section 28「5DモデルStep1:Discovery」 の解説です。最終章は、AI導入の全体工程を5ステップで整理した 「5Dモデル」 に沿って、企画から定着までを体系的に学びます。

5Dモデルの全体像(Discovery→Definition→Design→Development&PoC→Deployment&Scale)でStep1 Discoveryを強調した図
図1:5Dモデルの全体像。本記事は第1ステップ「Discovery」

5Dモデルは Discovery(発見・選定)→ Definition(定義)→ Design(設計)→ Development & PoC(開発・検証)→ Deployment & Scale(展開・定着) の5ステップ。頭文字がすべてDなので「5Dモデル」と呼びます。第1ステップ Discovery は「何を自動化するか」を決める段階。設計図もプロトタイプも作らず、最もインパクトが大きく、かつAIに向いている業務を見つけることに集中します。

① ボトルネックの特定から始める

ボトルネックとは、プロセス全体の生産性を制約している最も弱い箇所。「処理に時間がかかりすぎる」「ミスが頻発」「特定の担当者に依存」「反復的で付加価値が低い」業務を洗い出します。限られたリソースでは、最もインパクトの大きい箇所から着手しないと投資対効果が出ません。Section9〜11の業務分析を使いますが、Discoveryでは 「どこに問題があるか」の発見に集中し、詳細な構造化は次のStep2(Definition)で行います。

② AI適合性を診断する(3つの基準)

ボトルネックを見つけただけではAI化すべきか判断できません。次に、その業務がAIエージェントによる解決に向いているかを診断します。

基準AI適合性が高い
① 非構造化データの処理を含むかメール・報告書・画像などを扱う(LLMの最大の強み)。構造化データの検索・集計中心なら従来システムで十分
② 文脈に応じた判断が必要か文脈を読んで柔軟に対応する必要がある(手順を完全に定義できるならルールベースで十分)
③ ミスが許容できる/HITLで補完できるか多少のミスを人の確認で補完できる(100%の正確性が必須なら適合性は低い)

逆に AI適合性が低い業務は、(1)100%の正確性が法的に要求される (2)対人関係や共感が本質 (3)極秘データで外部APIに送信できない (4)物理的な操作を伴う、業務です。「ボトルネックだからAI化」ではなく「ボトルネックであり、かつAIに向いている業務を選ぶ」——この2段階のフィルタリングがDiscoveryの核心です。

③ 優先順位マトリクスで「何から着手するか」を決める

効果の大きさ×実現のしやすさの優先順位マトリクス。効果大×実現容易が最優先クイックウィンの図
図2:効果×実現で着手順を決める

候補が複数見つかっても同時着手は非現実的。各候補を 「効果の大きさ」×「実現のしやすさ」 の2軸で整理します。最優先は 効果が大きく、かつ実現しやすい業務(クイックウィン)——短期間で成果を示しやすく、初期導入の有力候補です。効果は大きいが実現が難しい業務は、すぐ着手せず 中長期の検討対象に。最も技術的に難しい業務から始めると、成果が出るまでに時間がかかり社内の支持を失うリスクがあります。

試験ではこう問われる(予想問題)

本試験は架空企業のケースをもとにした多肢選択式(4択)です。Section28の理解度を測る問題は、たとえば次のような形が予想されます。選択肢をクリックして解答してみてください(※当サイト独自の予想問題であり、公式の出題ではありません)。

予想問題

次の4つの業務のうち、AIエージェント化の候補としてAI適合性が最も高いものはどれか。

解説:正解はB。自由記述メールは非構造化データで、内容を読み解く文脈判断が必要、かつ一次回答案なら人の確認(HITL)で補完できる——AI適合性の3基準をすべて満たします。Aはカレンダー登録という定型処理で自動化はできてもLLMの判断は不要。Cは法的責任を伴う最終承認でミス許容度が極めて低く適合性が低い。Dは物理的操作で対象外です。「ボトルネックかつAIに向く」の2段階で見極めましょう。

このセクションの要点まとめ

  • 5Dモデル=Discovery → Definition → Design → Development & PoC → Deployment & Scale。
  • Discoveryは「何を自動化するか」を決める段階。設計やプロトタイプは作らない。
  • 2段階フィルタが核心:①ボトルネックの特定 → ②AI適合性の診断(非構造化/文脈判断/ミス許容orHITL)。
  • 着手順は「効果×実現」のマトリクスで。効果が大きく実現しやすいクイックウィンを最優先。

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※本記事は、AICX協会 公式シラバスver1.0 の構成(Section28「5DモデルStep1:Discovery」)に基づき、当サイトが独自に解説・例示したものです。公式テキスト本文・図版の転載は行っていません。図はすべて当サイトのオリジナルです。例示や予想問題は当サイトオリジナルであり、実際の出題内容を示すものではありません。最新の正式情報は AICX協会公式サイト をご確認ください。

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